技術同人誌の執筆がはじめてな人向けオススメ情報源 #技術書典 #技書博

技術書典8のサークル募集がまもなく締め切られますが、みなさま申し込まれたでしょうか。

技術書典のような技術同人誌のイベントでは、当日に向けた準備がたくさんあります。 初参加だとなにをやったらいいか分からないですよね。 そんなわけで、世の中にある書籍やブログの記事を勝手にピックアップして紹介します。

全体像の把握

なんといっても最初は全体像からつかみにいくと効率が良いです。 最初に読むとよいのが、技術同人誌のノウハウを網羅した「技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ」です。

ざっくり言えば、次のような事柄が網羅されています。

  • 執筆方法
  • 表紙の作り方
  • PDF作成の注意点
  • 印刷所で考慮すべきこと
  • 設営とマストアイテム
  • 開催中のあれこれ

多くの人は本の執筆自体がはじめてだと思いますが、実は執筆以外にもやることがたくさんあります。 どんなことをやらないといけないか知っておくと、安心して準備ができます。

また参加者の体験記も役立ちます。

note.com

jumpei-ikegami.hatenablog.com

執筆ツール

執筆を支援してくれるツールはいろいろありますが、オススメはRe:VIEWです。 PDFだけでなくEPUBも生成でき、紙の本と電子書籍を両方作れます。 Re:VIEW特有の記法を少し覚える必要がありますが、Markdownが扱える人ならすぐに習得できます。 参考図書としては「技術書をかこう! ~はじめてのRe:VIEW~」がオススメです。

techbooster.booth.pm

またRe:VIEWでは有志により、技術同人誌に特化したテンプレートがいくつか公開されています。 印刷時のトラップを回避するための設定が最初から仕込まれており、執筆に集中できるので非常にオススメです。

github.com

kauplan.org

推敲

推敲については山ほど書籍が出版されていますが、技術書典参加者で評価が高いのは数学文章作法 推敲編です。 推敲を扱っているだけあって、大変読みやすいのでオススメです。

数学文章作法 推敲編 (ちくま学芸文庫)

数学文章作法 推敲編 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:結城 浩
  • 発売日: 2014/12/12
  • メディア: 文庫

また手前味噌ではありますが、拙著「読みやすい技術書を書く技術」では、CircleCIによる校正環境の構築方法を解説しています。 一度環境構築すると、よくある問題が発生しなくなって、ニンゲンが実施する推敲作業が楽になります。 導入タイミングが早ければ早いほど効果が高いので、ぜひチャレンジしてみてください。

kosmos.booth.pm

紹介記事も書いているので、ぜひご覧ください。

nekopunch.hatenablog.com

表紙

本の表紙については、「誰かに依頼するか」「自分で作るか」で大きく分岐します。 デザイナーさんやイラストレーターさんが関わってくれるとやはり表紙のクオリティは上がります。 カッコいい表紙にしたい人は、当落通知が発表されたあと、依頼に向けてすぐに動き出すべきです。

一方、筆者のようなボッチ勢は自分で作ることになります。 イラレもフォトショも使えないなら、プレゼンテーションツールで作りましょう。 macOSならKeynoteで作れます。 ちなみに筆者も過去二回、Keynoteで切り抜けました。 自作勢は下記のQiitaの記事が参考になります。

qiita.com

なお表紙でオライリーなどのオマージュにしようと考えている人は、下記も読みましょう。

speakerdeck.com

印刷所

技術書典や技書博のようなイベントでは、バックアップ印刷所というところがあります。 たとえば技術書典では、次の2つの印刷所がバックアップ印刷所に指定されています。

www.nikko-pc.com

www.shippo.co.jp

印刷所の利用がはじめての場合は、絶対にバックアップ印刷所を使うべきです。 当日机の下まで運んでもらえるうえ、サポートも手厚いです。

なおWebからも入稿できますが、はじめての場合はお店まで出向いて直接入稿するのがオススメです。 入稿はだいたいトラブルが発生します。 そんなときに対面でサポートしてもらえると安心感が違います。

blog.vtryo.me

ダウンロードカード

Re:VIEWで原稿を書いている場合、EPUBタブレットに最適化されたPDFも作成できます。 そこでぜひ紙の本だけでなく、電子書籍も用意しましょう。

技術同人誌の場合は、BOOTHというサービスにパスワード付きzipをアップロードして、 パスワードを記載したダウンロードカードを頒布する人が多いです。 趣味で同人誌を書く人にとっては手軽な手段といえます。

denno-sekai.com

マストアイテム

イベント当日は本以外にも、色々と必要になります。 値札やブックカバーなどの細かいアイテムの多くはダイソーで入手できます。

note.com

また当日は机の上にテーブルクロスなどを敷くのが一般的ですが、なんと同人誌即売会に特化したモノが売られています。

anonuno.shop-pro.jp

ポケットが付いていて非常に便利なので、ぜひ購入を検討しましょう。 ちなみにイベント直前だと買えない場合があるので、欲しい人は早めにゲットすることをオススメします。

設営

イベント当日は短時間で設営を行わなければいけません。 そのため、はじめての場合はリハーサルをしておきましょう。 設営を具体的にどうやるかは、下記が参考になります。

a093.jp

またTwitterで「設営完了 #技術書典」などと画像検索すると、いろいろな人の設営風景が見れるので参考にしましょう。

イベント当日

イベント当日に気をつけるべきことは「技術書典売り子マニュアル」にまとまっています。 隣のブースにはみ出している人がいたらはみ出ないよう誘導するなど、参加者みんなが気持ちよく過ごすためのポイントが書かれており、初参加の人は必見です。

またイベント当日の売り子は、必ず誰かにお願いしましょう。 ワンオペはトイレに行けない、ご飯も食べれない、休憩もできないみたいなキツい状態になります。

どうしたらいいかわかりません!

先人たちのおかげで多くの情報が入手可能ですが、それでも途方に暮れることがあるでしょう。 そんなときはTwitterで助けを求めましょう。 特に技術書典は参加者が多く初参加者に親切なので、助けてもらえる可能性が高いです。 ツイートするときは「#技術書典」というハッシュタグをつけると、発見される可能性が上がります。

また技術書典の場合、イベント主催者自らが勉強会や執筆会を開いています。 こういう場所に顔を出して、疑問をぶつけてみても良いでしょう。

techbookfest.connpass.com

おわりに

技術同人誌についてはたくさんの人が知見を公開しているので、積極的に活用しましょう。 また、この書籍・記事もいいぞ!というものがあればぜひ情報提供いただければ幸いです。